ヨコハマ・ポート・サイドには理解を超えたものがあちこちに置いてある。現代美術というやつなのだろう。金港パークと、昔のこの地区の名前の痕跡を残す一角もその1つで、たくさんの石が無造作に設置してある。さて、これはいったい何なのだろうか。しかも、まんなかには石組のお椀をひっくりかえしたような盛土になっており、木が一本植えてある。
ソーラーキューブ
2003年05月10日 横浜市開港の道
赤レンガ倉庫から山下公園の方へ向う遊歩道沿いに、大きな立方体が置いてある。表面に回折格子が張り巡らしてあり、光を反射して昆虫の羽根のように光る。この手に凝っているヒロ・ヤマガタ氏の作品。なぜか題名はソーラー・キューブ。太陽を名乗るくらいだから、直視できないほどの光量で光輝いて、苦情の元になっているのかと思ったらさにあらず。これでは、まるで太陽電池だ。
シラン
2003年05月09日 横浜市山下公園(4月26日撮影)
「この花の名は知らん」という寒い小噺のシランが横浜でも、あちこちに咲いている。日本の里ではありふれた身近な蘭の1つ。もう1つの身近な蘭はネジバナで、こちらは雑草扱い。両方とも日本に自生して根付いている。蘭は育てるのが難しいというけれど、それは熱帯のジャングルの蘭を無理に日本で育てようとするから。風土にあった蘭は勝手に生えて育ち、たくさん花を付ける。
ムサシアブミ
2003年05月08日 宮崎県日南市(5日撮影)
日南市には苔の分類学専門の小さな民間の研究機関がある。そこを開所したのは服部新佐博士という方で、飫肥の出である。既に亡くなられ、街の東の丘の杉林の中の苔むした幽玄な佇まいの墓所にお眠りになられている。山道を散策していたら、偶然、墓所に出くわしてお参りをしてきた。光画は墓所の裏手に咲いていたムサシアブミ。
チリアヤメ
2003年05月07日 宮崎県日南市(3日撮影)
南米の国名冠したチリアヤメ、プロペラ回し飛んでいけ。5月の連休前後に直径3cmぐらいの花が咲く。その姿は、3枚羽根の竹とんぼのよう。朝9時ぐらいに花が開いて夕方に萎む。そして次の日に別の蕾が開くのだ。南米の牧草地に生える小さなアヤメで、踏みつけられても、へいっちゃら。年を経るにつれて、どんどんと芝生に広がっていく。
富士山と雲海
2003年05月06日 静岡県上空
雨の宮崎を定刻に離陸した飛行機は厚い雲を通過して登っていった。しばらく進むと眼下にはウロコ雲が幾重にも広がり、息を呑むほどの光景の上を飛行機は突き進んでいく。やがてウロコが途切れて雲海になったと思ったら、富士山が見えてきた。夕暮れの雲海を突きぬけて静かに立っていた。着陸直前に高度を下げるまで、ずっと西の雲の上に聳えていた。
鯉のぼり
2003年05月05日 宮崎県日南市(3日撮影)
宮崎県南部の鯉のぼりは、竹の先端の葉を残して矢車をつけないのが特徴。古い家柄ともなると、数本のロープを横に張り、これでもかというほど大量に吊るす。そんなメザシ吊るしは、さすがに少なくなった。端午の節句の南九州独特の風習が、もう1つある。アク巻きを食べるのだ。木灰汁に変色するまで浸した餅米を竹の子の皮に包んで茹でるか蒸して作る。